「エルザがまだ発進できない!?」
「すみません。ちび旦那!発進は出来るんですが…今の状態じゃ第二ミルチアに行くのは無理で…」
「仕方ねーな…にファウンデーションでも案内してやるか。行くか?」
「うん…」
時の狭間 03
「…広い…」
はJr.達の案内でビーチに連れて来てもらった。
「さん!一緒に遊びましょ?」
モモはの手を握って笑顔を見せた。
「…………」
『、一緒に出かけよ。今日はルベドも一緒よ』
はモモに似た茶色の髪をした少女を思い出す。
「…!」
「さん?」
心配そうにモモがの顔を覗き込む。
「…何でもない…遊ぼ…」
はモモの手を握り返す。
するとモモは笑顔で返事する。
(…今の…誰…?)
モモと一緒に歩きながら突然思い出した少女のことが気になって仕方なかった。
「ちゃん、一緒にビーチボールしよ」
「うん…それってボールが来たら打ち返せばいいんだよね…?」
「そうよ。じゃあ、チームどうしよっか…」
「Jr.さーん!ケイオスさーん!ジギー!一緒にやりませんか?」
モモはパラソルの日陰で座っている三人に声をかける。
「俺はパス。ここで見てる」
「僕もいいよ。ジギーさんはどうしますか?」
「ありがたいが遠慮しておこう。私が入るとチーム編成できないだろう」
「じゃあ、私とKOS−MOSとモモちゃんとちゃんの4人ね。チームは…」
「グッパで別れませんか?」
「そうね。そうしましょ。それじゃ、グーッパで別れましょ」
結果、グーがとシオン。パーがKOS−MOSとモモと言うチームになった。
「よろしくね、ちゃん」
「うん…頑張る…」
「あ、KOS−MOS。貴方ちゃんと手加減しなさいよ」
「了解しました。3%に抑えて置きます」
「モモ達からでいいですか?」
「いいわよ」
「行きます」
KOS−MOSのサーブで試合開始。
しかしそのサーブはかなり速かった。
「キャッ!KOS−MOS!もっと力を抑えなさい!」
「シオン。次…」
「え?」
はちゃっかりとKOS−MOSのサーブを打ち返して点を取っていた。
「ちゃん…打ち返したの?KOS−MOSのサーブ」
「うん…KOS−MOS…手加減してくれてた…だからシオン…次のサーブお願い…」
はボールをシオンに渡す。
「ちゃんも頑張ってくれるんだから私も頑張らなきゃね」
そう言ってシオンはサーブして試合再開。
Jr.はそんな様子を笑顔で見守る。
「良かったね。、元気になって」
「あぁ…さっきは流石に驚いたからな」
首筋に触れながらJr.はを見る。
「先程はかなりの力が入っていたようだが彼女にそれほどの力があるとは思えんのだが」
「あるからああなったんだよ。俺を持ち上げれるほどは…力があるんだよ…意識してないところで…」
「でも、Jr.は信じてる…そう言うわけだね」
少し俯きながらJr.は答える。
「まぁな…は…特別だからな…」
そんな事を話している内に決着がついた様だ。
「ちゃんすごいわ!」
「ううん…シオンのお蔭…KOS−MOSもモモも強かったし…」
「先程の試合で実戦においてもかなりの戦力があると見えますが」
「そんなことないよ…」
「でもすごかったです!モモ全然敵わなかったです!」
「…ありがとう…でも…試合中…髪の毛が邪魔だった…」
の髪は腰の辺りまであって動き回ると確かに邪魔になる。
「そうね。ちゃんの髪、綺麗だけどくくったりしないと少し動きにくそう」
「うん…かなり邪魔…でも…切るのは嫌だし…」
「…長すぎる…か…だったら…リボンか…髪飾りか…」
そんな会話をしている達を見てJr.は呟く。
「プレゼントしてあげるんだ、きっと彼女喜ぶよ」
「それはよさそうだな。きっと喜ぶだろう」
小さな声で呟いたのは二人に聞こえていたようだ。
「バッ!そんなんじゃねーよ!!」
Jr.は顔を真っ赤にしながら否定する。
「何が違うの…?」
「うわぁ!!!?」
突然、に後ろから話しかけられてJr.は驚く。
「みんなと遊ばないの?」
「少し喉渇いたし疲れたから…」
「これを飲むといいだろう」
ジギーは飲み物をに渡す。
「ありがと…」
飲み物を受け取りJr.の隣に座る。
「それじゃ、ジギーさん。僕達もみんなと一緒に遊びましょうか。モモちゃんもきっと喜びますし」
「そうだな。たまにはいいだろう」
「あ、オイ。俺も」
「Jr.はと一緒に居てあげて」
「彼女を一人にするのは可哀相だろ」
それじゃとケイオスはとJr.に笑顔で手を振りジギーと一緒にシオン達のいるとこへ駆けて行った。
「ハァー…」
「Jr.…行ってもいいんだよ…?みんなのとこ…」
「あ、いや…別にいいんだよ。俺は…ただ考え事してて…だからお前と一緒に居るのが嫌だとかじゃねーから」
そう言うとは少しだけほほ笑む。
「そう…?ならよかった…」
「楽しいか?」
「うん…大きなビーチで…ビックリした…」
「そうか?ま、本物の海に比べたら小さいほうだけどな」
「本物の…海…」
『サクラの病気が治ったらみんなで本物の海に行こう!も一緒に!』
『本物の海?』
『あぁ。アルベドもニグレドも誘ってみんなで行こう!約束だ!』
『約束?絶対だよ!ルベド!』
「…………」
の赤髪の少年の声と姿がチラチラと脳裏によぎる。
隣にに似た小さな女の子もいる。
「?」
「結局…その約束は守られなかった…あの日から…私達は…」
虚ろな目で何かを言う。
不思議に思ったJr.はの顔を下から覗き込む。
「…?」
「U.R.T.V.さえ…居なければ…サクラは…」
「…!」
が発した言葉にJr.は驚きが隠せなかった。
「っ…私…今…何か言ってた…?」
「いや、ただボーっとしてただけだよ。暑さにやられたか?」
「え…?わからない…いつもボーっとしてるし…」
「アハハ。確かにはボーっとしてるよな」
「…うん…何でだろ…そう言う性格なのかな…?」
「どうだろうな?まぁ…俺の知ってる奴はそうじゃなかったけどな…」
にはJr.の小さく呟いた言葉が聞こえなかった。
「何か言った…?」
「あ、いや。何でもねーよ」
「…Jr.…」
「ん?」
「ありがと…」
「…!」
は恥ずかしそうに膝を抱え顔を埋めた。
「あ、あぁ…」
Jr.も少し恥ずかしそうに頷く。
(少しでもいい…この時間が長く…続いて…欲しい…どうして…そう思うかは…わからないけど…)
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