「…………」
「さ、殿」
ニコッと笑顔の長く青いの美しい髪にキリッとした瞳を持つ美少女、葵。
「…………」
「さぁ、さん」
茶色い髪に左右に白いリボンをつけたいかにも女の子と言う雰囲気の美少女、マリン。
「…………」
「さぁ……」
ニヤッと笑みを浮かべる大きな黄色のリボンで長い銀色の髪を二つに結ぶぼんやりとした雰囲気の美少女、アクア。
その三人がに笑顔で迫る。
アロランディア学園、もっとも恐れられている生徒会長の。
向かう所敵なしはむかう者は絶対服従させるほど根性を叩き込む彼女。
誰一人彼女に勝てる者はいない。ただ…あれ以外は…
イヤだぁー!!!!!逃げるーーー!!!!!」
Love Paradise 02
「おーい、放課後の見回り終わっ…「助けてー!!!!!アーク!!!!!!!」
見回りを終わらし生徒会室に戻ってきたアーク。
扉を開けたと同時にに抱きつかれ(飛びつかれた)アークはかなり混乱状態。
「お、おま、お前…!!お、オイ!!!!は、離れろって!!!」
「イヤだぁ!!!!!た、助けてー!!!!!」
混乱状態とともにどんどんと頬が赤くなり心臓の鼓動が早くなる。
「だ、だから抱きつくなって…!!」
「アークが照れてる…」
「下心見え見えじゃ…」
「アークさん不潔です」
「お前等ぁっ!!!!!」
混乱状態のアークを好き勝手に言う三人。
「プルート様に報告終わったよって…何してるの?」
大量の資料を手に校長であるプルートに報告を済ませてきたリュートが生徒会に戻ってきたと同時に目の前で繰り広げられてる光景を見て不思議に思う。
三人の美少女達が笑顔で大量のあれを机に載せていて入り口付近ではアークに抱きついてガクガクと震えていると顔を真っ赤にして硬直状態のアーク。
「さんがどうしてもこれから逃げようとしてて…」
「あー…なるほど…」
机の上にある大量のあれに視線を移しとアークの方を見る。
「で、アーク。君はいつまでその状態で居るつもり?」
「いつまでってこいつが離れねーから」
「アーク…地の果てまでぶっ飛ばすよ?」
「何で俺に矛先が向くんだよ!?」
「当たり前でしょ。彼女を責める訳にはいかないし…それに何よりちゃっかりとさんの腰に手を回して抱きしめてるじゃないか?」
「アーク…お主…」
「アーク…不潔ね…」
「アークさん…見損ないました…」
「だからぁ!!!ちゃんと抱きしめとかねーとどんどんと体重かけてくるから後ろに
倒れそうになるんだよ!!!!!さっきからお前等好き勝手に言いやがって!!!!」
被害者はどちらかと言うとアークなのにボロボロに言われる不憫なアーク。
「って言うかオイッ!!いい加減離れろって!!」
「イヤだぁ!!!離したら末代先まで祟ってやる!!!!そして今すぐお前を首絞めてぶっ殺す!」
「物騒なことばっか言ってんじゃねー!!!!」
「ほら、さん。僕も手伝うから一緒にやったらすぐに終わるから。ね、そんなヘタレアークになんてくっついてないで」
「さり気にお前…俺のこと親友って思ってないだろ…?」
「思ってるけど今の状況は許せないから」
「お前な…」
「とにかく少しでも早く終わらそう?帰りに何かご馳走するから」
「…本当!?」
「うん。さんが頑張ったらね」
「よっしゃぁ!やってやろうじゃない!報告書が何じゃ!!私の手にかかればただの紙切れよ!」
リュートの言葉を聞きはアークから離れて生徒会室に山積にされているあれに手をつける。
そう、あれとは報告書。
生徒会の仕事で一番大変と言っても過言ではないのが報告書のチェック。
一日に大量の報告書が来るので現在の生徒会メンバーでは中々終わらない。
そしてがもっとも苦手とする作業だ。
どちらかと言うと行動派のは一枚一枚大量の報告書を見てチェックするのが疲れてくるのだ。
「殿。私も手伝う。何もお主一人ではさせぬよ」
「うーありがと…って言うか手伝ってくれないと無理だ…」
日野平葵。彼女はこの学園で副会長を務めと同じ日本人。
この学園は日本人はと葵しかいない。
剣道部に入部していた彼女はその才能と勇敢な性格をに気に入られ生徒会へスカウトされ副会長に。
「さん、紅茶とお菓子用意したよ。甘い物食べると作業もはかどりますし」
マリン=マリン=スチュワート。書記を務める彼女は料理上手で気配り上手。
元々、家庭科部だった彼女は空腹の余り家庭科室の近くで倒れていたに部で作ったお菓子をあげその料理の才能、気配り上手な所が気に入られ書記に。
「ありがとー…あーマリンのお菓子は美味しいわぁ〜あの時、マリンが居てくれなかったらずっと倒れてたまんまだったわ」
「倒れるほど空腹になるってお前…あんだけの量の飯食って腹減るってどんな胃してんだよ」
「だってあんなけのお弁当でもすぐに消化されちゃうんだもん。走り回ったり暴れまくったりしたら」
「暴れんなよ…」
「の胃袋は…まさにブラックホールね…まぁ、自体が化け物みたいだものね…フフ…」
「アクア…そんなにあたしが嫌いか?」
「そんな事ないわ。むしろ大好きよ…」
アクア。記憶を失っているがずば抜けて頭が良く高等部に飛び級した少女。この学園ではほとんど使える者はいない魔法を使える。
持ち前の毒舌で高等部の先輩に絡まれても勝ってしまう。
そんなところと魔法が使えるということをたまたまが見て気に入り書記として生徒会に。
「こんにちわ、皆さん。報告書新しいのが来ましたよ」
「あ、先生…」
大量の報告書を手に生徒会室に来たのは眼鏡をかけ優しそうな雰囲気のヨハン=ハーシェル。
この生徒会の顧問の先生だ。この学園で魔法が使える数少ない人材で優しいがキチッと注意もする真面目な先生。
唯一、ソロイとプルート以外の先生でが気に入っている先生だ。信頼が出来るためは彼を生徒会の顧問に選んだ。
「えぇ!?まだあんの!?ヨハン…燃やして…それ…」
「さん!?流石にそれは…」
「ハイ、さん。こっちの方は終わったよ」
「え!?はやっ!!!」
大量にあった報告書の3分の1をあっという間に終わらしたリュート。
「おい、こっちも終わったぜ」
アークは報告書の半分近くをあっという間に終わらした。
「うわぁ…ちょっと待って。あたし全然、終わってないし…」
「いいよ、さんのペースでゆっくりやってくれたら。先生、その報告書渡してください」
「あ、俺にもな」
「はい、今日は一段と多いですね」
「まぁ、別に気になんないけどね。どうせ元々メンバーが少ないんだし」
真剣に報告書をチェックし始める。
やはり会長になるほどの実力はありあっという間にチェックをし終えていく。
「新しいメンバーはまだ見つからぬのか?」
「うーん…後二人でしょ?何だかこう…ビビッと来る人居ないんだもん。生徒会に入れてくれって人ならいるけど…何だかいまいちって感じだし」
「確かに…の気に入る人ってそうそう居ないわよね…」
「私達が選ばれたのも奇跡に近いですよね」
「そんなことないって。みんなそれ相応の才能持ってるから生徒会に入ってもらったんだし」
「会長!会長は居ますか!?」
勢いよく扉が開かれ一年の生徒がを呼ぶ。
「ん?どうしたの?」
「会長!大変です!飛び級して来た一年生が先輩達に絡まれてます!!」
「…場所は?」
「屋上です!私…助けてあげたかったんですけど…一人じゃどうしても怖くて…」
ポンッと女の子の頭を軽く叩く。
「知らせに来てくれただけでも十分だよ。ありがとう。アーク、リュート。行くよ」
「了解っと」
「それじゃ、みんな少しの間お願いね」
「あまり大事にしないように気をつけてくださいね」
「…校舎破壊しないように…」
「相手に怪我をさせてはならぬぞ」
「そこ!!!好きなってに言ってんなぁ!!」
「ほら、さっさと行くぞ」
「屋上だよね。ここからなら近いし急ごう」
「帰ってきたら覚えてろよーーーー!!!!」
の叫び声が廊下に響き渡る。
その状況を見ていた一年の生徒が唖然となる。
屋上へと辿りつくと三年の先輩が集団で飛び級して来た一年生を攻め寄っていた。
「…あれだね…」
「あの絡まれてる一年って…もしかして…」
「…………」
は無言で走り出す。
「お、オイ!!?」
「さん!一人じゃ…」
「お前等ぁ!!!!」
は更に加速し勢いよく三年生の先輩の顔面に飛び蹴りを決める。
「うっわ…」
「…………」
蹴られた先輩は数メートル吹っ飛ぶ。
「あら?力加減したんだけどな」
「お前!生徒会長かぁ?!」
「そう、生徒会長様」
「凶暴女って聞いてたからどんなにゴツイのかと思ってたら意外に華奢じゃねーか。ちゃんと女みてーだし」
「へぇーどれどれ?」
一人の先輩がの胸の辺りに手を伸ばそうとする。
ドゴッ!!!と鈍い音が鳴り響く。
それと同時に一人の先輩がその場に倒れる。
「お前、今…こいつに何しようとした」
アークが思いっ切りに触ろうとした先輩を殴った。
「テメー!!」
もう一人の先輩がアークに殴りかかろうとする。
「これ以上、するなら僕も容赦しませんよ。争いごとは好きじゃないですが彼女に何かしようとした以上容赦はしませんから」
リュートがアークに殴りかかろうとした先輩の腕を掴む。
「さーて、先輩。可愛い後輩を虐めてくれたんでお仕置きです」
ニッコリと可愛い笑顔を浮かべる。
どこからか取り出した釘バットを手に。
ドゴッ!!!!バキッ!!!ボコッ!!!バキボキメキッ!!!!!!グシャッ!!!!
生々しい音と痛々しい光景から思わずアークとリュートは視線を逸らす。
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
学園中に飛び級して来た一年生に絡んでいた先輩達の叫び声が響き渡る。
「ふぅ…いいことした後は気持ちいいわ」
満足げな笑顔で空を見上げる。
大量の返り血のついた釘バットを手に。
しかし倒れている先輩達は怪我は見えない。
「あれ?先輩達、怪我してないね」
「え?だって見えない所に怪我させたもん。目立つ所に怪我させてバレたらうっとおしいし」
「相変わらず残酷だな…お前…」
「アーク、あんまりふざけたこといってると同じ目に合わすよ。えっとこの先輩達はマイナス400点っと」
どこからかファイルとペンを取り出し紙に何かを書き始める。
「これでヨシッと。で、アンタ。大丈夫?」
クルッと振り返り絡まれていた一年生に声をかける。
絡まれていた一年生は金色の長い髪に緑の瞳に美しい容姿の男子の制服を来ている。
「アンタ…男…だよね?」
「…!」
そう言われた瞬間、一年生はを睨む。
そしてアークがジッと一年生を見る。
「やっぱりお前…アンヘル種族だろ」
「アンヘル?」
「成長するまで性別が決まらないって言う種族の?」
「あぁ。しっかしまだアンヘルが居たんだな…なるほど…さっきあいつ等がこいつに絡んでたのも納得だな」
「あー…気味悪がって虐めてたってわけか。あたしは。で、アンタは?」
は一年生に手を差し出す。
「うるさい!お前達に何か教えるか!!」
差し出したの手をパンッと叩き屋上から飛び出す。
「ん〜もしかしなくても…嫌われてる?」
「と言うより人間が嫌いみたいだね…」
「惜しいな…」
「お前…まさか生徒会にスカウトするつもりか…?!」
「うん。あの子…魔法使える。さっき手叩かれた時わかった…ヨハンにちょっと聞いてみよ」
「マジかよ…」
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