―今も忘れない…あの時のことを…





時の狭間 00







「ルベドー!!」
「サクラ!どうしたんだよ?そんなに慌てて」
「今日はね、ルベドに紹介したい子がいるの」
「紹介したい子?」
ーこっちよ」


サクラの後ろから恥ずかしそうに顔を覗かせている8歳くらいの少女がこちらを見ている。


「……誰…?」
「ルベドよ。いつも話してた男の子」
「…ルベド…貴方が、ルベド…?」
「あぁ、俺はルベド。よろしくな」


不安そうだった少女の顔が笑顔になる。


「私、!ずっとサクラにお話聞いてたの!ずっと会いたいと思ってたの!よろしくねルベド!」




14年前…無邪気に笑っていた。
幸せな…幸せ過ぎた日常。 でも、もう…あの頃へは戻れない。
惨劇とも呼べるあの事件が起こってから…




これはある少年とある少女の物語。