「ねぇ、黒崎〜」
「ん?何だよ」
「魔法って本当にあるのかな?」
「はぁ?」






素敵な魔法







突然のの発言に一護は呆れた。


「アホか?テメー。大体、魔法なんていい年して言うなよな」
「…でも死神がいるんだよ?」
「…………」


その一言で一護は反論する事は出来なかった。
そしては続けた。


「それも一理あるでしょ?だからどうなのかなって思って」
「んなもん死神のお前が死神の俺に聞くな!!」


は一護の頬をひっぱる。
その瞬間、一護はムッとした表情に変わる。
しかしは怯む事無く口を開いた。


「イチゴちゃん!今の言葉は許さないよ!問題発言!乙女の夢を壊した!!」


は一護の頬を引っ張っていた手を離す。
一護はヒリヒリとする頬を擦りながらの話を聞き続けた。


「イチゴちゃん!そんな夢も希望もないことを言って!さらに顔はいかついのに名前は可愛いし!
でもそんなに顔が悪いってわけでもなくてどちらかと言うとカッコイイ系だけど
女の子にモテモテってわけでもないし!その上によく男にモテるし!」
「ほっとけって!!誰がいつ男にモテた!!」


ずっと黙っての話を聞き続けていた一護が流石にツッコミを入れた。
一護もそろそろ本気でキレそうだ。


「石田雨竜やらその他もろもろな方が」
「…それは別の意味でだろ…」
「…とにかく!!なんで黒崎はそんな夢のないことを言うの〜!」
「…この顔で夢持ってて言うのか?!」


どうやら一護は先ほどのの発言を気にしているようだ。
するとも少しばかり罪悪感を感じた。


「……で、でも!魔法が使えたら楽しいじゃない?」
「…まぁ、便利だろうな(こいつも一応女だからやっぱりキレイになりたいとか願うのか?そーゆうとこあるなら結構、可愛いと思うけど…)」
「例えば…今まで私にムカツクことをして来やがった奴らを土下座させて
死ぬまでこき使って〜むしろ死んだ方が楽なくらいにボロボロに働かせるの〜♪」

(前言撤回!!)


一護は楽しそうに喋ってるから目線を逸らす。
少しでも可愛い所があると思った自分が情けなくなった一護。


「あ、あとは好きな人と両思いになりたいな〜」


ズルッと一護は顔面から転んだ。
かなり痛そうだ。


「な、なにやってるの?黒崎?」


しゃがみ込みは心配そうに一護の顔を見た。


「…いや、お前にも人間らしい感情があったとは…むしろお前に好かれてる奴が不憫に思えてきた…」


どうやら鼻を強打したようで鼻を押さえつつ起き上がる一護。
さり気なくに対して失礼な事を言っている。


「黒崎…それは私に喧嘩を売ってるって解釈していいのか…!」
「大体、好きな奴を魔法で自分のことを好きにさせるってはなから諦めてるってことだろ?


お前らしくもねーお前ならどんな手を使ってでも相手を惚れさせそうなのによ」


「そうだね。でもそれが出来たら苦労はしないよ」
「…悪かったな…」
「ん?何で黒崎が謝るの?」


は突然、一護に謝られキョトンとした表情で一護を見た。


「いや、気にしてることだったんじゃねーのか…?」


罪悪感を感じつつそう言うとはクスっと笑った。


「別に黒崎が謝ることじゃないじゃない。それとも同情?」
「そんなわけじゃなくてな!」
「じゃあ、魔法をかけてよ」
「は?」


思わず間の抜けた声が出てしまった。
そしては続けた。


「魔法!元気になる魔法かけてよ!」
「お前、魔法なんて使えるかって」
「黒崎なら使えるよ。ずっと私の隣にいて。それで…ずっとずっと笑っててほしい!
いつも笑顔でいてほしい!それが私にとって最高な魔法だから!」


はスーッと息を吸い込んだ。


「私、は…黒崎一護が大好きです!!」


大きな声では一護に想いを伝える。


「…!!」


一護は思いがけない発言に顔を赤く染めた。
そしては一護の方を見てニコッと笑った。


「ふぅ…アハハ!自分の想い全部言ったらスッキリしたぁー!で、黒崎。私に魔法をかけてくれる?」
「……当たり前だろ!」


そう言って一護は照れくさそうにを抱きしめる。
君の笑顔が何よりも素敵な魔法…