眩しいくらい彼は輝いていた。





私の太陽







ちゃーん!」
「火原先輩。どうしたんですか?」
「よかったら一緒にお昼食べない?ついでに練習しよ!」
「いいですよ。私なんかでよければ」
「やった!今日はね、君にカツサンド食べてほしかったんだ〜」
「わざわざありがとうございます。今、お金渡しますね」
「いいっていいって!これは先輩として当たり前だから」
「でも…」
「一緒に練習してくれるだけで十分嬉しいからさ!」
「火原先輩…」
「それじゃ、行こう!」


彼はとても眩しい。
私の暗闇を溶かしてくれる…そんな気がする…




「どう?美味しい?」
「はい!とっても美味しいです!」
「だよね!ここのカツサンド美味しいから急いで買いに行かないとすぐに売り切れちゃうんだよな〜」
「あ、でもよかったんですか?火原先輩のお昼取っちゃって」
「あ、大丈夫!俺、まだこんなにあるし!」


私は火原先輩の買った分のパンを見たら驚いてしまった。
メロンパンに焼きそばパン、アンパンにカツサンド…その他にもたくさんある。
半端じゃない量だ。


「すごい食べるんですね」
「うん!でも、今日は少し少ないめだけどね。足りるかな?」
「じゃあ、私のお弁当半分食べますか?」
「え?!いいの?」
「はい。カツサンドのお礼には物足りないかもしれないですが」
「全然物足りなくなんかないよ!すっごく嬉しい!!」
「フフ。じゃ、どうぞ」


私は火原先輩にお弁当を渡した。


「これってちゃんの手作り?」
「はい。一人暮らしですし家事全般は出来るので」
「へ〜ちゃんの手料理食べるの初めてだな〜いっただきまーす」


ニコニコの笑顔で私のあげたお弁当を食べる。
その火原先輩もとっても眩しくて…手の届かない存在だと再確認させられた。
いつか私の太陽になってくれたらなんて馬鹿な考えはやめないと…わかってる…


「うん!美味しい!ちゃんって料理上手だね!」
「そんなことないですよ。全然普通です」
「ううん!すっごく美味しいよ!ねぇ、今度俺にもお弁当作って来てって言ったら怒る?」
「え?」


火原先輩の思いがけない言葉に私は驚いた。


「やっぱり駄目?」
「そ、そんなことないです!私の料理なんかでいいなら毎日作ります!」
「ま、毎日なんてちゃんが大変でしょ?!」
「大変なんかじゃないですよ!それに火原先輩のためならいくらでも頑張っちゃいます!」
「…!」


あれ…今、私変なこと言った気が…火原先輩のために…って何言ってんだろ…引かれた…絶対に…


「何か嬉しいな。君が俺のために頑張ってくれるなんて」
「火原先輩…?」
「俺ね…今日、君と一緒にご飯食べたら伝えようと思ってたことがあるんだ」
「何ですか?」
「俺…ちゃんのこと好きだよ」
「…!」


火原先輩の言葉に私はいつも驚かされてばかりだ。心の暗い場所にまで光を照らしてくれるから…


「コンクールで君に出会えて本当によかった。たとえ君が俺のことどうとも思ってなくても俺は君に出会えて君を好きになれてよかった」
「火原先輩…私…私も!火原先輩に会えてよかったです!それにこんな風に一緒に居てくれて嬉しいです!
だって私も好きだから…火原先輩のこと好きだから…太陽のように眩しい火原先輩が好きです…」
「…!…へへ。ちゃんもそう思っててくれたなんてどうしよ…すっごく嬉しいな…」
「私も…です…火原先輩…これからも太陽のように私に光を当ててくれませんか?」
「もちろん…君だけの太陽になるから…だから君も俺のために笑って…」
「はい!」


そしたら火原先輩は私を抱きしめた。


「大好きだよ。ちゃん」
「和樹…先輩…」


貴方は私の太陽。いつもキラキラと眩しくて…そんな貴方が大好きです。